Masterwal HOME (FACTORY SHOP)|本社、工場、ショールーム、ショップを兼ねた本拠地

厳選されたウォールナット材の家具は、
岡山県の豊かな自然の中で作られていました。

上質なウォールナットを使用したオリジナルデザインの家具ブランド「Msterwal(マスターウォール)」。その母体となるアカセ木工の本社と工場は岡山県里庄の豊かな自然に囲まれています。隣接する広島県の府中は婚礼家具の産地として知られ、1968年にアカセ木工の歴史も婚礼家具メーカーとしてスタートしました。その後、時代の変化に応じて脚物家具を中心としたラインナップに生まれ変わり、現在では主力ブランド「Msterwal」を中心に、自社デザインと国内製造にこだわった家具ブランドを全国で展開しています。その名前にも込められているように、上質なウォールナット材の家具を得意とし、「100年後のアンティーク家具へ」をモットーにした普遍的なデザインの家具は、フクダ・ロングライフデザインの住宅ともとても親和性が高く、多くのお施主様に選ばれています。

INTERVIEW by KAMAKULANI

フクダ・ロングライフデザイン

営業企画チーフ 出来 忍

株式会社アカセ木工

生産部次長 北村 浩三

お客様が何を望んでいるか、それを形にしていこうという想いが、Masterwalの商品づくりに生かされています。

  • 聞き手| 出来 忍(carbon 店主 / フクダ・ロングライフデザイン 営業企画チーフ / KAMAKULANI キュレーター)
  • お相手|北村 浩三さん(株式会社アカセ木工 生産部次長)
KAMAKULANI

Masterwalのことをご存知ない方のために、簡単に会社とブランドのご紹介をお願いします。

北村さん

インタビューが行われたショールーム

アカセ木工は2017年の7月で創業56年になる会社です。隣に笠岡市という所がありまして、そこで今の社長の先代の赤瀬義晴が創業し、当初は府中(現在の広島県府中市のこと。婚礼家具の産地として知られる)の箪笥メーカーの下請けとして工場がスタートしました。その後オリジナルの箪笥を作るようになり、その当時は岡山県の笠岡が拠点でしたが、昭和56年にここ里庄に工場を移設しました。

平成に入ってもしばらくは婚礼の箪笥が売れていたのですが、結婚のスタイルが変わるに連れて徐々に需要が減っていき、何か新しい事を始めなくてはいけないということで、ウォールナット材を使った家具を作り始めました。Masterwalの記念すべき最初に商品である「ワイルドウッド」というテーブルが生まれたのが1999年のことでした。

KAMAKULANI

箪笥の時代はやはり桐がメインですか?

北村さん

ワイルドウッドシリーズ 写真提供:Masterwal

そうですね。桐パネと言って、メラミンに桐のプリントをしたものが中心だったようです。それがもう飛ぶように売れて…。私の入社前のことですが、景気がいい時代だったんですね。

当時はまだウォールナット自体が珍しい木材だったようで、今の常務の山本と専務の後藤の二人が開発と営業だった頃に、山本が「この素材でテーブルを作ってみたい」とウォールナット材を持ってきて、「ワイルドウッド」が生まれたそうです。

フクダ・ロングライフデザインとアカセ木工の出会い

KAMAKULANI

初めて出会ったときからアカセ木工の家具のファンに

実は私の実家がリフォームした際に、母親が使っていた婚礼用の古い鏡台の代わりになるものを探してほしいと頼まれて、そのときに見つけたのがアカセさんの縦型の鏡台だったんです。当時はメーカーの名前も意識していなくて、その3年後に今度は自分のソファーを買おうとしたら偶然同じメーカーだったんです。それで是非フクダ・ロングライフデザインでアカセさんの家具を取り扱いたいと提案しまして。

北村さん

そのとき選んでいただいた基準はどんなところにあったのでしょうか?

KAMAKULANI

やっぱり長く使えるということと、その頃は無垢材にこだわっていたのですが、無垢の家具はどれもデザインが似通っていて、そんな中、しっかりと重厚感のあるデザインのMasterwalに惹かれたんです。

北村さん

それは嬉しい出会いですね。ありがとうございます!

Masterwalの家具が似合う家とは

KAMAKULANI

Masterwalの家具がどんな家に合うか、ということも考えますか?

北村さん

北村さんには工場見学からインタビューまでお世話になりました

はい。Masterwalがこだわっているのは、先程工場で見ていただいた素材と、長く使っていただくためのシンプルなデザインです。私たちの家具を選んでいただくお客様のお宅もきっと素材にこだわっていたり、洗練されたデザインだったりと、そんなことを思い浮かべながら製品を作ってます。

KAMAKULANI

家具メーカーの場合、実際に購入されたお客様のお宅を見る機会は少なそうですが…。

北村さん

本社に併設されたショールームではMasterwalの歩みも見ることができる

現在、弊社のWEBサイトには「ルーム・スナップ」というコーナーがございまして、お客様自身にMasterwalの家具をコーディネートした写真を投稿していただけるようになっているんです。また、直営店舗のスタッフが、家具の搬入の際に立ち会うこともありまして、写真で報告書が上がってくるのも楽しみです。

そのような取り組みの成果もあって、ここ数年は「お客様が何を望んでいるか」を形にしていこうという想いが、Masterwalの商品づくりに生かされています。

KAMAKULANI

それはすごいことですね。今までの家具メーカーにはなかった視点だと思います。

北村さん

自分たちの思いだけを伝えようとしても、お客様にそれを受け入れていただけないと、やっぱり商品は売れないんです。

100年後のアンティーク家具へ

KAMAKULANI

Masterwalの「100年後のアンティーク家具へ」というキャッチフレーズにはどんな思いが込められているのですか?

北村さん

やはり長く使っていただきたいというのが一番です。どうしたら長く使っていただけるのか?愛着があれば長く使うだろう。では愛着を持っていただくためにはどんなサービスが、どんな物作りが必要なのかと、そんな風に考えています。

KAMAKULANI

インタビュー当時は未発表だった新ブランド『YU』のスケッチを見せていただいた

アンティークブームが来たときにそのキャッチコピーを見て、「あ、自分の手でアンティークにしていけばいいんだ」ということに気づかされました。それまでは、つい古いものばかり探してたんです。でもその物自体に宿った存在感というか、例えば自分の親が長年使ってきたものを受け継いでいくことにこそアンティークの価値があるのかもしれないと思うようになりました。

北村さん

まさに今は、3代語り継がれる家具にしたいというのが目標です。

素材としてのウォールナットの魅力

KAMAKULANI

Masterwalで使用するウォールナットは県産ですか?

北村さん

残念ながら違います。岡山は林業が盛んなのですが、国産のウォールナットは量が少なくあまり流通していないこともあり、品質と供給が安定した北米で厳選したものを輸入しています。Masterwalが使用するウォールナットは「ブラックウォールナット」という、世界三代銘木に数えられる高品質なもので、高級なピアノやバイオリンなどにも使われているんですよ。

KAMAKULANI

ウォールナットの家具を選ぶメリットを教えてください。

北村さん

上品な色と木目が人気のウォールナット材

ウォールナットは素材自体に特徴があります。まずは色ですね。色や木目がどんな家のどんな壁や床にも合うんです。その合わせやすさこそがウォールナットの大きな特徴だと思います。また、素材としても優れているところがたくさんありまして、これは私たちメーカーにとってのメリットですが、非常に加工しやすいんです。適度な硬さがあって、木材の個体差が少ないので、安定した物作りができるという利点があります。だから高い精度で仕上げることができる。

KAMAKULANI

実はウォールナットを住宅の建材で使おうとすると大工さんには嫌がられるんです…。「硬い!」って。

北村さん

大工さんの使う工具と私たちが工場で使う機会とではだいぶ性質が異なりますからね。工場の場合は、柔らかいとどうしても材料が逃げてしまったり、加工してる間に曲がって削れてしまったりするので、安定性を重視するんです。

KAMAKULANI

フクダ・ロングライフデザインの家では主に床材として杉かオークを使用しています。比較的明るい色味の木材なので、明るめの色の家具の方が合わせやすいこともあるのですが、ウォールナット以外の木材も取り扱っているのですか?

北村さん

はい。商品によってはホワイトオークやブラックチェリーなど数種類の木材からお選びいただけます。色や木目や硬さなど特徴が異り、それぞれ魅力のある木材なので、家具の仕上がりの印象もだいぶ違うと思います。家の床材や壁紙の雰囲気などに合わせて、ぜひお好みでお選びください。

Masterwalのデザインの秘密

KAMAKULANI

Masterwalのデザインのポイントは何ですか?

北村さん

木材の加工以外に縫製や革加工まで自社工場で行う

大切にしているのは、素材を活かすデザインにするということです。あとは、お客様が使用していて壊れにくい設計だったり、メンテナンスをしやすい構造だったり、これもやはり「100年後のアンティーク家具へ」につながっています。

現在はインハウス(社内でデザインすること)だけではなく社外のデザイナーもおりますが、Masterwalが始まる前からの長いお付き合いなので、多くを説明しなくてもきちんとMasterwalのデザインになります。

KAMAKULANI

現場(店舗や工場)からもアイデアが生まれることもありますか?

北村さん

はい、開発部隊の中から出てくるデザインもあります。弊社には3つの開発スタイルがありまして、先程お話した「お客様の意見を形にする」スタイルと、自分たちの想いを作り上げるスタイル、そしてデザイナーからの提案に基づくスタイルです。お客様のご要望は店舗を通じて本社に届きますので、これが現場で生まれたアイデアということになりますね。

ショールームの役割とインターネットの役割

KAMAKULANI

フクダ・ロングライフデザインはお施主様に家具を提案する際に、大阪のショールームにお連れして案内しています。もちろん家具を実際に選ぶのはお施主様ご自身なのですが、設計の提案時にMasterwalの家具を配置したスケッチなどをご覧いただくと、そのイメージが頭から離れずに、ショールームに行く頃にはお施主様がすっかりMasterwalのファンになっているなんてことも。

北村さん

ショールームでは実際に家具の使い心地を試すことができるのが魅力だ

ありがとうございます。Masterwalの世界観をダイレクトに伝えるためには、ショールームはとても効果があります。また、そもそも自分たちが提案してる家具がどんな風に展示されるべきなのか、どんな風に販売されるべきなのか、そんな想いをすべて反映できる場所としても、直営店のメリットは大きいですね。

もちろんこれからの時代はインターネットでの販売もおろそかにはできません。例えば、弊社にはクイック・デリバリーというサービスがありまして、通常は家具の製造と組み立てにはすごく時間がかかるのですが、人気のある商品はあらかじめ部品をストックするなど、徹底した効率化によって短期間で商品をお届けする仕組みです。カートに入れてすぐ購入、という買い物スタイルに慣れている若い方には、それぐらいのスピード感が求められているのです。

KAMAKULANI

お客様に合った方法で家具選びをしていただくためにも、ショールームとインターネットのどちらもそれぞれ大切な役割があるんですね。今日はありがとうございました。

北村さん

こちらこそ、ありがとうございました。

HOW TO BUY

carbonではMasterwalの家具の販売とコーデイネートを行っています。ショールームをご覧になりたい方はお気軽に店舗までお問い合わせください。

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